極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
テーブル横で伝票を構えた実乃里に、深雪ママは「違うわよ」と否定する。
「うふっ」と意味ありげな笑い方をされ、実乃里は目を瞬かせた。
「マスターに聞いたわ。龍司さんに猛アタックしてるんですってね。今も会いに行ってきたんでしょう? それで、どうだったの?」
チラリとカウンターを見れば、マスターが実乃里に向けて両手を合わせている。
実乃里のいないところで勝手に話してしまったことを謝っているのだろう。
それに対して実乃里は腹を立てることはなく、首を振ってマスターを快く許した。
というより隠す必要を感じず、龍司が来店するたびに交際を求めているので、常連客の中では既に知れ渡っている話である。
しかしながら照れくささは感じるので、実乃里の頬は赤く染まった。
「そうなんです。今、頑張っている最中で……」
そう打ち明けた彼女は、「またふられてしまいました」と付け足し、苦笑した。
深雪ママがしなやかな手つきでコーヒーをひと口飲み、実乃里をフォローする。
「落ち込まなくていいわよ。龍司さんは硬派だから、簡単には落とせないわ。でもね、好きだと言われて嫌な気はしていないと思うのよ。だって男はみんな、本能的に女を求める生き物だから」
「うふっ」と意味ありげな笑い方をされ、実乃里は目を瞬かせた。
「マスターに聞いたわ。龍司さんに猛アタックしてるんですってね。今も会いに行ってきたんでしょう? それで、どうだったの?」
チラリとカウンターを見れば、マスターが実乃里に向けて両手を合わせている。
実乃里のいないところで勝手に話してしまったことを謝っているのだろう。
それに対して実乃里は腹を立てることはなく、首を振ってマスターを快く許した。
というより隠す必要を感じず、龍司が来店するたびに交際を求めているので、常連客の中では既に知れ渡っている話である。
しかしながら照れくささは感じるので、実乃里の頬は赤く染まった。
「そうなんです。今、頑張っている最中で……」
そう打ち明けた彼女は、「またふられてしまいました」と付け足し、苦笑した。
深雪ママがしなやかな手つきでコーヒーをひと口飲み、実乃里をフォローする。
「落ち込まなくていいわよ。龍司さんは硬派だから、簡単には落とせないわ。でもね、好きだと言われて嫌な気はしていないと思うのよ。だって男はみんな、本能的に女を求める生き物だから」