極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「実乃里ちゃんに嬉しいお知らせよ。これから龍司さんが来店するわ」
「えっ!? 今の電話、龍司さんですか?」
「違うわよ。添島……猿亘組の私の旦那と話していたの。龍司さん、うちの店には滅多に来ないけど、機会があれば連れて来てと頼んでおいたのよ」
龍司の来店も、深雪ママの夫の話も初耳で、実乃里は目を丸くした。
独身だと勝手に思い込んでいたが、よく見れば深雪ママの左手の薬指にはマリッジリングがはめられている。
他の指にいつも煌びやかな宝石が輝いているので、控えめなマリッジリングに気づかなかったのだ。
加えて、伴侶が猿亘組の構成員であるとは、驚かないわけにいかない。
けれども納得もしている。
妻や恋人に水商売の店を経営させて、その売上は暴力団に入るという話を、どこかで聞いたことがある。
このスナックはどうやら、そういう店らしい。
極道と深い関わりのある店で働くことは、以前の実乃里なら嫌ったであろう。
けれども龍司との恋を実らせようと努力している今は幸運に思い、深雪ママの話に喜んだ。
「えっ!? 今の電話、龍司さんですか?」
「違うわよ。添島……猿亘組の私の旦那と話していたの。龍司さん、うちの店には滅多に来ないけど、機会があれば連れて来てと頼んでおいたのよ」
龍司の来店も、深雪ママの夫の話も初耳で、実乃里は目を丸くした。
独身だと勝手に思い込んでいたが、よく見れば深雪ママの左手の薬指にはマリッジリングがはめられている。
他の指にいつも煌びやかな宝石が輝いているので、控えめなマリッジリングに気づかなかったのだ。
加えて、伴侶が猿亘組の構成員であるとは、驚かないわけにいかない。
けれども納得もしている。
妻や恋人に水商売の店を経営させて、その売上は暴力団に入るという話を、どこかで聞いたことがある。
このスナックはどうやら、そういう店らしい。
極道と深い関わりのある店で働くことは、以前の実乃里なら嫌ったであろう。
けれども龍司との恋を実らせようと努力している今は幸運に思い、深雪ママの話に喜んだ。