極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
実乃里は緑茶のペットボトルを手に取り、「いただきます」とひと口飲んで蓋を閉め、テーブルに置いた。
美味しそうに先を争ってピザを頬張る一尾たちを眺めている以外、やることがない。
壁掛け時計は十六時五分を指し、ロイヤルを出てから十五分ほどが過ぎていた。
(龍司さん、帰ってこなかった。残念だけど、もうロイヤルに戻らなくちゃ……)
ふたり掛けソファの左側に腰掛けている実乃里は、「二山さん」と声をかけた。
卵サンドが入ったペーパーボックスを、龍司に渡してほしいと頼もうとしたら、その前にリビングのドアが開いた音がした。
龍司かと思った実乃里は、期待に胸を弾ませて振り向く。
けれども、入ってきたのは別の極道。
白いスーツに紫色のワイシャツを着た、本部長の斑目であった。
一尾たちはまだ愛嬌を感じるが、斑目には禍々しい雰囲気があり、本物の悪人だと実乃里は感じ取る。
美味しそうに先を争ってピザを頬張る一尾たちを眺めている以外、やることがない。
壁掛け時計は十六時五分を指し、ロイヤルを出てから十五分ほどが過ぎていた。
(龍司さん、帰ってこなかった。残念だけど、もうロイヤルに戻らなくちゃ……)
ふたり掛けソファの左側に腰掛けている実乃里は、「二山さん」と声をかけた。
卵サンドが入ったペーパーボックスを、龍司に渡してほしいと頼もうとしたら、その前にリビングのドアが開いた音がした。
龍司かと思った実乃里は、期待に胸を弾ませて振り向く。
けれども、入ってきたのは別の極道。
白いスーツに紫色のワイシャツを着た、本部長の斑目であった。
一尾たちはまだ愛嬌を感じるが、斑目には禍々しい雰囲気があり、本物の悪人だと実乃里は感じ取る。