極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「へぇ、大した夢を持っているじゃないか。それで、開店資金はどれくらい貯まったんだ?」
コーヒーメーカーで淹れたブラックコーヒーを飲む斑目は、会話を終わらせてくれない。
実乃里の右肩には、まだ斑目の腕がのせられている。
彼女の背中はじっとりと汗ばみ、逃げ出したいと思いながらも「目標の六割くらいです」と正直に答えた。
出店場所によって金額は変わるだろうけれど、物件を借りる際にまとまった資金は必要である。
その他に内装工事代、厨房機器や家具などの設備費、軌道にのるまでは売上はないものと考えて、三カ月分ほどの運転資金も準備しておきたい。
銀行から融資を受けることも考えのうちではあるが、できれば五百万、最低でも三百万は貯めようと思っており、夢の着手に取り掛かるまでには、あと三年はかかるだろうと実乃里はみている。
(貯金額がわかりそうな返事をしたのはまずかったかな。相手は悪人だもの。お金を脅し取られたりして……)
それを危惧して実乃里が青ざめたら、斑目が真逆の提案をしてきた。
「俺が開店資金を出してやるよ。一千万あればいいか?」
「ええっ!?」
コーヒーメーカーで淹れたブラックコーヒーを飲む斑目は、会話を終わらせてくれない。
実乃里の右肩には、まだ斑目の腕がのせられている。
彼女の背中はじっとりと汗ばみ、逃げ出したいと思いながらも「目標の六割くらいです」と正直に答えた。
出店場所によって金額は変わるだろうけれど、物件を借りる際にまとまった資金は必要である。
その他に内装工事代、厨房機器や家具などの設備費、軌道にのるまでは売上はないものと考えて、三カ月分ほどの運転資金も準備しておきたい。
銀行から融資を受けることも考えのうちではあるが、できれば五百万、最低でも三百万は貯めようと思っており、夢の着手に取り掛かるまでには、あと三年はかかるだろうと実乃里はみている。
(貯金額がわかりそうな返事をしたのはまずかったかな。相手は悪人だもの。お金を脅し取られたりして……)
それを危惧して実乃里が青ざめたら、斑目が真逆の提案をしてきた。
「俺が開店資金を出してやるよ。一千万あればいいか?」
「ええっ!?」