極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
ペーパーボックスを持つ両手が、力なく下がっていく。
心配から注意してくれたのだと思うより、拒絶された気がして傷つき、実乃里の胸には悲しみが広がった。
斑目との取引の話が、龍司を怒らせたのだろうかと、実乃里は推察する。
(それとも、卵サンドの差し入れも迷惑なのかな。私、龍司さんに嫌われてる……?)
動揺から瞳を揺らせば、ため息が上から降ってきた。
大きな手が実乃里の頭を撫で、それからペーパーボックスを受け取った。
「重いな。卵サンドだけじゃないのか?」
「あ……新作ハンバーガーも入ってます。それも龍司さん用に、辛いものは抜いてありますので」
「そうか、ありがとう」
思いがけず優しい声でお礼を言われ、実乃里はキョトンとする。
(迷惑じゃないの……?)
龍司はこの場で蓋を開け、卵サンドを食べ始める。
五つ入っているうちのひとつを三口で頬張り、ハンバーガーもひと口、実乃里の前で食べて見せた。
「うまい。実乃里の作るものが俺の口に合う。あと十日ほどで仕事が一段落するから、ロイヤルに行けるだろう。ここには来ずに、ロイヤルで待っていてくれ。必ず行くから」
「は、はい!」
心配から注意してくれたのだと思うより、拒絶された気がして傷つき、実乃里の胸には悲しみが広がった。
斑目との取引の話が、龍司を怒らせたのだろうかと、実乃里は推察する。
(それとも、卵サンドの差し入れも迷惑なのかな。私、龍司さんに嫌われてる……?)
動揺から瞳を揺らせば、ため息が上から降ってきた。
大きな手が実乃里の頭を撫で、それからペーパーボックスを受け取った。
「重いな。卵サンドだけじゃないのか?」
「あ……新作ハンバーガーも入ってます。それも龍司さん用に、辛いものは抜いてありますので」
「そうか、ありがとう」
思いがけず優しい声でお礼を言われ、実乃里はキョトンとする。
(迷惑じゃないの……?)
龍司はこの場で蓋を開け、卵サンドを食べ始める。
五つ入っているうちのひとつを三口で頬張り、ハンバーガーもひと口、実乃里の前で食べて見せた。
「うまい。実乃里の作るものが俺の口に合う。あと十日ほどで仕事が一段落するから、ロイヤルに行けるだろう。ここには来ずに、ロイヤルで待っていてくれ。必ず行くから」
「は、はい!」