極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
実乃里が正直に答えると、無言の間が十秒ほど空いた。
やっと龍司が口を開いたと思ったら、釘を刺される。
「妙な期待をするなよ。連れ帰って、寝かせてやるだけだ。俺は手を出さない」
「そ、そんな期待は、私だってしてないです!」
男性経験のない実乃里なので、これから龍司と体の関係を結ぶかもしれないとは全く想像していなかった。
今、彼に“妙な期待”と言われるまでは。
連絡先を交換したり、デートしたりといった過程を飛び越え、状況的には抱かれることも不可能ではないと知ってしまえば、それを意識せずにいられない。
(龍司さんは手を出さないと言ったから、抱いてもらうには、私が迫らないと駄目ということだよね。勇気を出して精一杯の色気で誘惑してみようかな。龍司さんとの距離を縮めるために……)
“ガキ”から“女”へとステップアップはされたようだけど、恋愛対象に入るまでの道のりは遠いと実乃里は感じている。
今夜、自分の頑張りで、恋人への階段を一気に駆け上がることができるのではないかと期待が膨らみ、実乃里は奮い立った。
けれども、裸になる自分を想像した途端に、自信がなくなる。
(龍司さんをその気にさせるなんて、私にできるかな。胸は小さいし、童顔で、子供に間違われる私なのに。どうしよう、迫るための武器がない……)
やっと龍司が口を開いたと思ったら、釘を刺される。
「妙な期待をするなよ。連れ帰って、寝かせてやるだけだ。俺は手を出さない」
「そ、そんな期待は、私だってしてないです!」
男性経験のない実乃里なので、これから龍司と体の関係を結ぶかもしれないとは全く想像していなかった。
今、彼に“妙な期待”と言われるまでは。
連絡先を交換したり、デートしたりといった過程を飛び越え、状況的には抱かれることも不可能ではないと知ってしまえば、それを意識せずにいられない。
(龍司さんは手を出さないと言ったから、抱いてもらうには、私が迫らないと駄目ということだよね。勇気を出して精一杯の色気で誘惑してみようかな。龍司さんとの距離を縮めるために……)
“ガキ”から“女”へとステップアップはされたようだけど、恋愛対象に入るまでの道のりは遠いと実乃里は感じている。
今夜、自分の頑張りで、恋人への階段を一気に駆け上がることができるのではないかと期待が膨らみ、実乃里は奮い立った。
けれども、裸になる自分を想像した途端に、自信がなくなる。
(龍司さんをその気にさせるなんて、私にできるかな。胸は小さいし、童顔で、子供に間違われる私なのに。どうしよう、迫るための武器がない……)