極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
恐る恐る箱から出して広げてみると、カップ付きのスリップとショーツの二点セットで、サイズはM。

実乃里には少々大きいが、着れるサイズではある。

けれども身につけるのを戸惑ってしまうほど、デザインがセクシーすぎた。


生地の色はワインレッドで大人っぽく、スリップの片側に大きくスリットが入っている。

花柄の黒いレースがふんだんにあしらわれて、ショーツも揃いのデザイン。

ショーツに至っては布面積が極小で、横を紐で結ぶ仕様になっていた。


「龍司さんが私に、セクシーランジェリーを……」


体中の血液が顔に集中し、頭から追い出したばかりの妙な期待が、再燃してしまう。


(ど、どうしよう。せっかく出してくれたのだから、着た方がいいのかな。下着の替えは持ってきてないし、ありがたいことでもあるんだけど……この下着、すごくエッチ)


着るのを躊躇していたら、洗面脱衣室のドアがノックされ、実乃里は肩を揺らした。


「おい、まだか。俺もシャワーを使うんだ、早くしろ」

「ごめんなさい、すぐに出ます」


迷っている暇はなくなり、慌ててセクシーランジェリーを身につける。

その上に龍司のぶかぶかなワイシャツを着ると、実乃里の膝までが隠された。

脱いだ下着は丸めて着てきたズボンのポケットに押し込み、服も湿っているためハンガーにかけて吊るす。

急いでリビングに戻ると、エアコンの温風が心地よく流れており、腰掛けていたベッドから龍司が立ち上がった。


「シャワー、ありがとうございました」

「ああ」


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