極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
【龍司さんへ。先日は騙すようなことをしてごめんなさい。でも、華やかに着飾った実乃里ちゃんは、色っぽくて新鮮だったでしょう? これはお詫びとお礼の品です。もし使わなければ、実乃里ちゃんにプレゼントしてもいいと思うわ。またお店にいらしてくださいね。深雪】


どうやらこのメッセージカードは、ランジェリーの箱に添えられていたもののようで、実乃里が着ることを想定して深雪ママが龍司に贈ったものであるようだ。

おそらく、深雪ママの旦那である猿亘組の極道、添島を通じて渡されたのだろう。

“先日”と書かれているから、贈られたのはきっとひと月ほども前のこと。

持ち帰って中身を確認した龍司は、クローゼットかどこかに放り込んでそのまま忘れ、実乃里がシャワーを浴びている最中に思い出した……といったところだろうか。


なぜ龍司がセクシーランジェリーを持っていたのかがわかり、実乃里はホッとしていた。

この部屋を訪れた女性が置いていったものだとしたら、嫉妬するところだ。

謎が解ければ、おかしくなってクスクスと笑ってしまう。


(箱を開けた時の龍司さんの反応を見たかったな。きっと驚いて困ったよね。龍司ほどの人を手のひらで転がしてるみたいで、深雪ママはすごい。深雪ママが本気を出したら、龍司さんだって陥落させられそう……)


< 160 / 213 >

この作品をシェア

pagetop