極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
メッセージカードをゴミ箱に戻した実乃里は、大きく頷いて右手を握りしめた。
深雪ママにエールと、女の武器を送られた気分でいる。
(私だって頑張れば、そこそこの色気を出せるはず。この下着で龍司さんに迫って、恋を進展させなくちゃ。こんなチャンスは二度とないかもしれないんだから)
実乃里は窓の近くに置かれているデスクチェアに腰掛け、ドライヤーで髪を乾かしている。
それを終えると、ちょうど龍司がリビングに戻ってきた。
パジャマや部屋着ではなく、いつものスラックスに黒いワイシャツ姿で、ベルトをしていないところだけは違う。
彼が濡れた髪を邪魔そうに後ろに流すと、形のいい額が見えた。
ワイシャツのボタンは全開で、逞しい腹筋がチラ見えしている。
(色っぽい。男の人にこんなこと思うのは、変かな……)
特別な彼を見ることができた喜びと照れくささで、実乃里の鼓動は速度を上げていく。
それにしても、いつもこんな風に、外出できる格好で寝ているのかと不思議に思って尋ねれば、「まぁな」とひと言だけ返ってきた。
理由は教えてくれないようなので、想像でしかないが、なにかが起きた時にいつでも逃げられるようにするためではないかと、実乃里は考えた。
それほど危険な任務に就いている彼は、五年間、自宅にいても完全に気を休めることはできずにいるようだ。
同情的な目で実乃里が見つめる中、龍司は冷蔵庫を開け、無糖の缶コーヒーを出して飲んでいる。
それからキッチンの引き出しを開けると、煙草と灰皿を取り出した。
換気扇のスイッチを入れて、慣れた手つきで煙草をくわえ、火をつける。
龍司が煙草を吸っている姿を初めて目にした実乃里は、目を瞬かせた。
深雪ママにエールと、女の武器を送られた気分でいる。
(私だって頑張れば、そこそこの色気を出せるはず。この下着で龍司さんに迫って、恋を進展させなくちゃ。こんなチャンスは二度とないかもしれないんだから)
実乃里は窓の近くに置かれているデスクチェアに腰掛け、ドライヤーで髪を乾かしている。
それを終えると、ちょうど龍司がリビングに戻ってきた。
パジャマや部屋着ではなく、いつものスラックスに黒いワイシャツ姿で、ベルトをしていないところだけは違う。
彼が濡れた髪を邪魔そうに後ろに流すと、形のいい額が見えた。
ワイシャツのボタンは全開で、逞しい腹筋がチラ見えしている。
(色っぽい。男の人にこんなこと思うのは、変かな……)
特別な彼を見ることができた喜びと照れくささで、実乃里の鼓動は速度を上げていく。
それにしても、いつもこんな風に、外出できる格好で寝ているのかと不思議に思って尋ねれば、「まぁな」とひと言だけ返ってきた。
理由は教えてくれないようなので、想像でしかないが、なにかが起きた時にいつでも逃げられるようにするためではないかと、実乃里は考えた。
それほど危険な任務に就いている彼は、五年間、自宅にいても完全に気を休めることはできずにいるようだ。
同情的な目で実乃里が見つめる中、龍司は冷蔵庫を開け、無糖の缶コーヒーを出して飲んでいる。
それからキッチンの引き出しを開けると、煙草と灰皿を取り出した。
換気扇のスイッチを入れて、慣れた手つきで煙草をくわえ、火をつける。
龍司が煙草を吸っている姿を初めて目にした実乃里は、目を瞬かせた。