極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「煙草、吸うんですね。知りませんでした」
「ああ。煙いか?」
「いえ、大丈夫です。ロイヤルで慣れていますので。どれくらい吸うんですか?」
「たまにだ。ストレス状況下や気を紛らわせたい時だけ吸ってる。いざという時に、息切れするようじゃ仕事にならないからな」
龍司は美味そうに深く煙を吸い込み、換気扇に向けてゆっくりと吐き出す。
喫煙が板についているその姿からは、以前はヘビースモーカーであったのだと推測された。
龍司が言ったように、仕事のために量を減らしたということなのだろう。
健康面においてもそれはいいことだと思うのだが、龍司の言葉に引っかかりを感じた実乃里は眉を寄せた。
(ストレス状況下と、気を紛らわせたい時って……)
実乃里が一緒にいることで龍司がストレスを感じるというのなら、落ち込んでしまう。
けれども、気を紛らわせるという目的で喫煙しているのなら、喜ぶべきかもしれない。
実乃里に手を出すまいと、欲情を堪えているという解釈ができるからだ。
なるべく前向きに捉えたい実乃里なので、龍司が今、煙草を吸っている理由は、後者であると思うことにした。
実乃里はゴクリと唾を飲み、気合いを入れ直す。
(私に手を出させてみせる。深雪ママがくれたこの下着なら、私だって色っぽく見えるはず。いざ……)
煙草を吸い、缶コーヒーを飲み切ってワイシャツのボタンを閉めている龍司。
彼が半分の長さになった煙草を灰皿に押し付けたのを合図に、実乃里は椅子から立ち上がった。
「ああ。煙いか?」
「いえ、大丈夫です。ロイヤルで慣れていますので。どれくらい吸うんですか?」
「たまにだ。ストレス状況下や気を紛らわせたい時だけ吸ってる。いざという時に、息切れするようじゃ仕事にならないからな」
龍司は美味そうに深く煙を吸い込み、換気扇に向けてゆっくりと吐き出す。
喫煙が板についているその姿からは、以前はヘビースモーカーであったのだと推測された。
龍司が言ったように、仕事のために量を減らしたということなのだろう。
健康面においてもそれはいいことだと思うのだが、龍司の言葉に引っかかりを感じた実乃里は眉を寄せた。
(ストレス状況下と、気を紛らわせたい時って……)
実乃里が一緒にいることで龍司がストレスを感じるというのなら、落ち込んでしまう。
けれども、気を紛らわせるという目的で喫煙しているのなら、喜ぶべきかもしれない。
実乃里に手を出すまいと、欲情を堪えているという解釈ができるからだ。
なるべく前向きに捉えたい実乃里なので、龍司が今、煙草を吸っている理由は、後者であると思うことにした。
実乃里はゴクリと唾を飲み、気合いを入れ直す。
(私に手を出させてみせる。深雪ママがくれたこの下着なら、私だって色っぽく見えるはず。いざ……)
煙草を吸い、缶コーヒーを飲み切ってワイシャツのボタンを閉めている龍司。
彼が半分の長さになった煙草を灰皿に押し付けたのを合図に、実乃里は椅子から立ち上がった。