極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
この店の人気ナンバーワンメニューを当てるという企画をしている彼らに、実乃里は受け答えをし、同時に料理やドリンク作りもひとりでこなしているので、しんみりしてはいられない。
ましてや、東島に見惚れることも。
忙しすぎて、伊藤を買い物に行かせたことを後悔しながら、テーブル席で待っている出演者に、お洒落に盛り付けたベーグルサンドを出した。
その後に実乃里は、カメラに向けて正解発表することを求められる。
「グリルチキンとクリームチーズのベーグルサンドは……うちの店の人気ナンバーワンではありません」
芸人ふたりが大げさに、がっかりしたリアクションを取っている。
それを予想したのは東島で、片手で額を押さえて首を横に振り、残念がり方も素敵だ。
「また外して、すみません。このロケで役に立っていないですね」と苦笑する彼を、隣に座っている女子アナがフォローした。
「大丈夫です。東島さんは、すごく惜しいところで外してくださるので、むしろ盛り上げてもらっています」
それを聞いた芸人ふたりが、口々に彼女をからかう。
「小春アナ、今日はやけに優しくない? いつもと違うよな。なんで?」
「ロケ前に東島さんのガチファンって言ってたよ。サイン欲しいって、俺に耳打ちしてきた」
それは事実ではなく冗談であったようで、小春アナと呼ばれた彼女は慌てて否定する。
「東島さんのファンではありますけど、そんなことは言ってないですよ。もう勘弁してください。家に帰ったら怒られます」
「旦那さん怖いの? 優しそうなのにな」
「優しくて厳しいです。それに、すごくヤキモチ焼きで……と、私のことはいいんです。早く一位を当ててください」
「ヤキモチだって。新婚さんが愛されアピールしてくるんだけど。ちくしょー、俺も嫁が欲しいなぁ!」
ましてや、東島に見惚れることも。
忙しすぎて、伊藤を買い物に行かせたことを後悔しながら、テーブル席で待っている出演者に、お洒落に盛り付けたベーグルサンドを出した。
その後に実乃里は、カメラに向けて正解発表することを求められる。
「グリルチキンとクリームチーズのベーグルサンドは……うちの店の人気ナンバーワンではありません」
芸人ふたりが大げさに、がっかりしたリアクションを取っている。
それを予想したのは東島で、片手で額を押さえて首を横に振り、残念がり方も素敵だ。
「また外して、すみません。このロケで役に立っていないですね」と苦笑する彼を、隣に座っている女子アナがフォローした。
「大丈夫です。東島さんは、すごく惜しいところで外してくださるので、むしろ盛り上げてもらっています」
それを聞いた芸人ふたりが、口々に彼女をからかう。
「小春アナ、今日はやけに優しくない? いつもと違うよな。なんで?」
「ロケ前に東島さんのガチファンって言ってたよ。サイン欲しいって、俺に耳打ちしてきた」
それは事実ではなく冗談であったようで、小春アナと呼ばれた彼女は慌てて否定する。
「東島さんのファンではありますけど、そんなことは言ってないですよ。もう勘弁してください。家に帰ったら怒られます」
「旦那さん怖いの? 優しそうなのにな」
「優しくて厳しいです。それに、すごくヤキモチ焼きで……と、私のことはいいんです。早く一位を当ててください」
「ヤキモチだって。新婚さんが愛されアピールしてくるんだけど。ちくしょー、俺も嫁が欲しいなぁ!」