極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
ドスドスと勇んだ足取りでこちらに向かってくる下っ端三人に震えそうになっていたら、実乃里の前に黒いシャツの背中が立ち塞がった。
龍司が下っ端たちの行く手を塞ぎ、「何人だ?」と冷静に声をかけている。
それに対し、「若い男がふたりだそうです」と、小太りのヤクザが真剣な声で答えた。
「なら、俺ひとりで充分だ。お前らは留守番してろ」
暴れている男たちは半グレの一味だと、先ほど本部長が予想していた。
半グレとは暴力団ではないが、悪行三昧の犯罪集団である。
それは実乃里の知識の中にあった。
たったふたりでも、危ないのではないだろうかと彼女は心配になる。
龍司に留守番を命じられた下っ端三人は、戸惑いを顔に表していた。
実乃里と同じように龍司ひとりでは危険があると思っているのか、それとも逆に、若頭自らが出張るほどの相手ではないと考えているのかもしれない。
スラックスのポケットに片手を入れ、背を向けようとしている龍司を止めたのは、本部長だ。
「龍司、また敵に情けをかけようってのか? お前がそんなんだと、締まらねぇんだよ」
龍司が下っ端たちの行く手を塞ぎ、「何人だ?」と冷静に声をかけている。
それに対し、「若い男がふたりだそうです」と、小太りのヤクザが真剣な声で答えた。
「なら、俺ひとりで充分だ。お前らは留守番してろ」
暴れている男たちは半グレの一味だと、先ほど本部長が予想していた。
半グレとは暴力団ではないが、悪行三昧の犯罪集団である。
それは実乃里の知識の中にあった。
たったふたりでも、危ないのではないだろうかと彼女は心配になる。
龍司に留守番を命じられた下っ端三人は、戸惑いを顔に表していた。
実乃里と同じように龍司ひとりでは危険があると思っているのか、それとも逆に、若頭自らが出張るほどの相手ではないと考えているのかもしれない。
スラックスのポケットに片手を入れ、背を向けようとしている龍司を止めたのは、本部長だ。
「龍司、また敵に情けをかけようってのか? お前がそんなんだと、締まらねぇんだよ」