極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
非難めいた言葉に、龍司はめんどくさそうな横顔を向けて答える。
「そうじゃない。腹ごなしになるかと思っただけだ」
「お前はひと切れもピザを食ってねぇだろ」
「ロイヤルで卵サンドを食べた。斑目本部長、あんたに指図される理由はない。今は俺の方が立場が上だ。余計なことを言わずに黙ってろ」
斑目本部長は、さらに瞳を険しくする。
そんな目で睨まれれば、実乃里のような一般人は怯み上がって命の危険を感じることだろう。
諍いごとを鎮めに行くどころか、ここで戦が始まってしまいそうなほどに空気が張り詰めており、実乃里はコクリと唾をのんだ。
(逃げたい……でもお代が……)
心の中で何度も代金を請求する声を上げているのに、それを言葉にすることができずにいる。
動いたのは龍司だ。
煩わしげにため息を漏らし、「行ってくる」とヤクザたちに背を向けて一歩前へ。
長めの前髪が揺れて、形のよい額がチラリと見える。
彼の美麗な黒い瞳が実乃里を捉えたら、眉間の皺が深まった。
「そうじゃない。腹ごなしになるかと思っただけだ」
「お前はひと切れもピザを食ってねぇだろ」
「ロイヤルで卵サンドを食べた。斑目本部長、あんたに指図される理由はない。今は俺の方が立場が上だ。余計なことを言わずに黙ってろ」
斑目本部長は、さらに瞳を険しくする。
そんな目で睨まれれば、実乃里のような一般人は怯み上がって命の危険を感じることだろう。
諍いごとを鎮めに行くどころか、ここで戦が始まってしまいそうなほどに空気が張り詰めており、実乃里はコクリと唾をのんだ。
(逃げたい……でもお代が……)
心の中で何度も代金を請求する声を上げているのに、それを言葉にすることができずにいる。
動いたのは龍司だ。
煩わしげにため息を漏らし、「行ってくる」とヤクザたちに背を向けて一歩前へ。
長めの前髪が揺れて、形のよい額がチラリと見える。
彼の美麗な黒い瞳が実乃里を捉えたら、眉間の皺が深まった。