極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
彼の裸なら見てみたいと思っていた気持ちは、急降下していく。

実乃里が惹かれるのはロイヤルで卵サンドを食べている時のクールでかっこいい彼であって、極道の若頭をしている彼ではない。

龍司に対して恐怖心を感じたくはなかった。


相変わらず彼は湯船でひとり、くつろいでおり、眠っているかのように動かない。

下っ端三人に囲まれて困っている実乃里には、少しの関心もないような態度である。


「ロイヤルの姉ちゃん、俺の体どう?」


ニッと口の端を上げて問いかけてきたのは、二山だ。

細身ながら強そうな筋肉を持つ彼は、刺青よりもそれを自慢したいようである。


「この辺、鍛えてんだ。腹筋ヤバイだろ? 触ってみろよ」


二山に手首を掴まれそうになった実乃里は、咄嗟に手を引っ込めて慌てる。


「見るだけで充分です。どうぞお気遣いなく」


二山の体に一切の興味はないが、腰にタオルを巻いただけの姿で触れと言われては、はっきりとわかるほどに赤面してしまう。

実乃里が恥ずかしがっていることに気づいた三人は同時に吹き出し、それから面白がってからかい始めた。


「男に免疫ゼロって顔してんな。何歳?」

「十八くらいか。女子高生?」


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