極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
ともあれ、龍司が刺青の塗料にアレルギーを持っていることを、実乃里は嬉しく思っていた。
ヤクザとしては彫り物があった方が強そうに見えていいのかもしれないが、彼を怖い人だと思いたくない彼女にとっては、そのままの滑らかな肌でいてほしいという気持ちでいた。
刺青についての疑問が解けたら、胸の高鳴りに意識が向く。
湯から出ている彼の体から、目が離せない。
逞しい広背筋の盛り上がりと、美しい背骨のライン、しっとりと濡れた黒髪は襟足の毛先から雫がポタリと垂れている。
(色っぽい……男の人に、こんなこと思うのは変かな……)
うっとりと見惚れ、それと同時に先ほど下っ端たちのからかいから助けてくれたことを思い出し、嬉しくて頬が緩む。
「ロイヤルの姉ちゃん……?」
ニヤついているように見えたのだろうか、一尾が気味悪そうに問いかけてきた。
実乃里は「はい」と返事をしつつも、龍司から目を逸らさない。
すると呆れたような龍司の声が、浴場に響いた。
「いつまで男湯にいるつもりだ。ねんねのガキだと思っていたが、本当は見たかったのか?」
「え……?」
ヤクザとしては彫り物があった方が強そうに見えていいのかもしれないが、彼を怖い人だと思いたくない彼女にとっては、そのままの滑らかな肌でいてほしいという気持ちでいた。
刺青についての疑問が解けたら、胸の高鳴りに意識が向く。
湯から出ている彼の体から、目が離せない。
逞しい広背筋の盛り上がりと、美しい背骨のライン、しっとりと濡れた黒髪は襟足の毛先から雫がポタリと垂れている。
(色っぽい……男の人に、こんなこと思うのは変かな……)
うっとりと見惚れ、それと同時に先ほど下っ端たちのからかいから助けてくれたことを思い出し、嬉しくて頬が緩む。
「ロイヤルの姉ちゃん……?」
ニヤついているように見えたのだろうか、一尾が気味悪そうに問いかけてきた。
実乃里は「はい」と返事をしつつも、龍司から目を逸らさない。
すると呆れたような龍司の声が、浴場に響いた。
「いつまで男湯にいるつもりだ。ねんねのガキだと思っていたが、本当は見たかったのか?」
「え……?」