極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
実乃里の独り言は、少々声が大きかったようである。
マスターに電話をかけようとしたが、その前に背後から毛深い腕が伸ばされて、スマホを奪われてしまった。
「へぇ、逢坂龍司の知り合いが、こんなところにいるなんてな。襲撃の話を聞かれてヤバイだろ」
「いや、逆に俺ら、ついてるんじゃね?」
声の主が誰であるかは予想がつくが、そうであってほしくないと思いながら実乃里は恐る恐る振り向いた。
そこには、バス待ちをしていた半グレの男ふたりがニヤつきながら立っており、実乃里は逃げる間もなくアロハシャツの男に腕を捕らえられてしまった。
「大人しくしてたら、危害は加えねーよ。協力だけしろよな」
「あの、もし私が断わったら……?」
「ちょっとばかり痛い目に遭うだろうな。それか、風俗に売るって選択肢もある。女子高生か? 年齢ごまかして店に出れるとこ知ってっから大丈夫だ」
(全然大丈夫じゃないです。痛いのも風俗も絶対に嫌……)
ドクロTシャツの男が、手のひらで折りたたみ式のナイフを遊ばせている。
叫んで助けを求めることもできない実乃里は、従うより他に選択肢を見つけられないのであった。
マスターに電話をかけようとしたが、その前に背後から毛深い腕が伸ばされて、スマホを奪われてしまった。
「へぇ、逢坂龍司の知り合いが、こんなところにいるなんてな。襲撃の話を聞かれてヤバイだろ」
「いや、逆に俺ら、ついてるんじゃね?」
声の主が誰であるかは予想がつくが、そうであってほしくないと思いながら実乃里は恐る恐る振り向いた。
そこには、バス待ちをしていた半グレの男ふたりがニヤつきながら立っており、実乃里は逃げる間もなくアロハシャツの男に腕を捕らえられてしまった。
「大人しくしてたら、危害は加えねーよ。協力だけしろよな」
「あの、もし私が断わったら……?」
「ちょっとばかり痛い目に遭うだろうな。それか、風俗に売るって選択肢もある。女子高生か? 年齢ごまかして店に出れるとこ知ってっから大丈夫だ」
(全然大丈夫じゃないです。痛いのも風俗も絶対に嫌……)
ドクロTシャツの男が、手のひらで折りたたみ式のナイフを遊ばせている。
叫んで助けを求めることもできない実乃里は、従うより他に選択肢を見つけられないのであった。