極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
実乃里が半グレの男ふたりに拉致されてから数時間が経ち、日付けが変わろうとしていた。
目隠しをされて連れてこられた場所は、どこかの倉庫。
何年も使われていないようで、シャッターや鉄骨がサビつき、トタンのような材質の壁には穴が開いているところがある。
そこから吹き込む風に潮の香りが混ざっているので、海が近いことはわかった。
壁の所々には、今にも切れそうにチカチカと瞬く蛍光灯があり、倉庫内の様子は見える。
コンテナやドラム缶、古タイヤ、なにかの配線のようなものが積み上げられたまま残されていた。
(お腹空いたし、ちょっと寒い。マスターと洋子さん、心配してるよね。龍司さんには迷惑をかけちゃったな。ううん、私ごときを助けに来てはくれないだろうから、迷惑とまではいかないかな……)
半グレの男たちは、実乃里を餌にして龍司を呼び出すと言っていた。
そのような間柄ではないと実乃里がいくら言っても聞く耳持たずで、組事務所に龍司を呼び出す手紙かなにかが投げ込まれたようだ。
龍司が助けに来ないとわかれば、半グレの男たちは実乃里を無傷で解放するだろうか……怖いのでそれを尋ねることはできず、彼女はため息をつく。
目隠しをされて連れてこられた場所は、どこかの倉庫。
何年も使われていないようで、シャッターや鉄骨がサビつき、トタンのような材質の壁には穴が開いているところがある。
そこから吹き込む風に潮の香りが混ざっているので、海が近いことはわかった。
壁の所々には、今にも切れそうにチカチカと瞬く蛍光灯があり、倉庫内の様子は見える。
コンテナやドラム缶、古タイヤ、なにかの配線のようなものが積み上げられたまま残されていた。
(お腹空いたし、ちょっと寒い。マスターと洋子さん、心配してるよね。龍司さんには迷惑をかけちゃったな。ううん、私ごときを助けに来てはくれないだろうから、迷惑とまではいかないかな……)
半グレの男たちは、実乃里を餌にして龍司を呼び出すと言っていた。
そのような間柄ではないと実乃里がいくら言っても聞く耳持たずで、組事務所に龍司を呼び出す手紙かなにかが投げ込まれたようだ。
龍司が助けに来ないとわかれば、半グレの男たちは実乃里を無傷で解放するだろうか……怖いのでそれを尋ねることはできず、彼女はため息をつく。