極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「逢坂てめぇ、ひとりで来いと言ったろ!」と怒りをあらわにする男に、龍司は華麗な身のこなしで攻撃をかわしつつ、不愉快そうに答える。
「加勢は無用と言ってある。お前らの狙いは俺なんだろ? あの娘は無関係だ。気の済むまでやり合ってやるから、俺だけ見てろ」
その後は二山に「早く行け!」と鋭く命じ、立ち上がった二山に実乃里は腕を引っ張られた。
「姉ちゃん、早く」
「で、でも、龍司さんが……加勢は無用って、最後までひとりで戦うつもりなんですか?」
「若頭のことなら心配いらねぇから。むしろ俺らがいたんじゃ、邪魔になるだけだ。若頭は半分も力を出してねぇ。姉ちゃんが見てるからだろ」
つまり、実乃里に血生臭いものを見せたくないという配慮から、龍司はかわすばかりでほとんど反撃していないということらしい。
自分がここを出たら、龍司が心置きなく相手を殴り倒せると知った実乃里は、これまでとは逆に半グレの男たちの身を案じた。
(どうか、入院するほどの怪我は負いませんように……)
壁の破れ目から外に出れば、一尾と三村が待っていてくれた。
「姉ちゃん、無事か?」「怪我してねぇ?」と口々に心配してくれる。
「加勢は無用と言ってある。お前らの狙いは俺なんだろ? あの娘は無関係だ。気の済むまでやり合ってやるから、俺だけ見てろ」
その後は二山に「早く行け!」と鋭く命じ、立ち上がった二山に実乃里は腕を引っ張られた。
「姉ちゃん、早く」
「で、でも、龍司さんが……加勢は無用って、最後までひとりで戦うつもりなんですか?」
「若頭のことなら心配いらねぇから。むしろ俺らがいたんじゃ、邪魔になるだけだ。若頭は半分も力を出してねぇ。姉ちゃんが見てるからだろ」
つまり、実乃里に血生臭いものを見せたくないという配慮から、龍司はかわすばかりでほとんど反撃していないということらしい。
自分がここを出たら、龍司が心置きなく相手を殴り倒せると知った実乃里は、これまでとは逆に半グレの男たちの身を案じた。
(どうか、入院するほどの怪我は負いませんように……)
壁の破れ目から外に出れば、一尾と三村が待っていてくれた。
「姉ちゃん、無事か?」「怪我してねぇ?」と口々に心配してくれる。