極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「はい、怪我はないです。ご迷惑おかけしてすみません。助けに来てくれて、ありがとうござーー」
実乃里は笑顔でお礼を口にしていたが、倉庫内からドラム缶が転がるような音や、男たちの断末魔のような悲鳴が聞こえてきて、ギョッとして壁の穴に振り向いた。
一尾が頭の後ろで手を組み、楽しげな顔をして言う。
「若頭、暴れてんなぁ。死人が出るか?」
それに対して三村も、呑気に笑って答える。
「そっすね。いつもクールな若頭が、今回は珍しくブチ切れてましたよね。俺、少しちびったっす」
「あの、龍司さんが本気で怒ったら、どうなるんですか……?」
恐る恐る実乃里が問いかけると、一尾と三村は顔を見合わせただけで、なにも教えてくれない。
「聞かねぇ方が身のためだ」と一尾に苦笑され、実乃里は冷や汗をにじませた。
そのような会話をしているうちに、悲鳴や物音がピタリとやみ、遠くで打ち寄せる波音が聞こえるほど静かになる。
どうやら戦闘は終了したようだ。
実乃里を助け出した後、どこかに行っていた二山が、黒いワゴン車を運転して戻ってきた。
一尾が助手席、三村は後部席、実乃里は真ん中のシートに乗せられ、ゆっくりと走り出した車は倉庫の正面へ回される。
実乃里は笑顔でお礼を口にしていたが、倉庫内からドラム缶が転がるような音や、男たちの断末魔のような悲鳴が聞こえてきて、ギョッとして壁の穴に振り向いた。
一尾が頭の後ろで手を組み、楽しげな顔をして言う。
「若頭、暴れてんなぁ。死人が出るか?」
それに対して三村も、呑気に笑って答える。
「そっすね。いつもクールな若頭が、今回は珍しくブチ切れてましたよね。俺、少しちびったっす」
「あの、龍司さんが本気で怒ったら、どうなるんですか……?」
恐る恐る実乃里が問いかけると、一尾と三村は顔を見合わせただけで、なにも教えてくれない。
「聞かねぇ方が身のためだ」と一尾に苦笑され、実乃里は冷や汗をにじませた。
そのような会話をしているうちに、悲鳴や物音がピタリとやみ、遠くで打ち寄せる波音が聞こえるほど静かになる。
どうやら戦闘は終了したようだ。
実乃里を助け出した後、どこかに行っていた二山が、黒いワゴン車を運転して戻ってきた。
一尾が助手席、三村は後部席、実乃里は真ん中のシートに乗せられ、ゆっくりと走り出した車は倉庫の正面へ回される。