極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
「龍司さんがロイヤルに来てくれないと、私が困ります。美味しい卵サンドを作りますから、これからも気にせず来店してください。お願いします」
「俺が行かないと、なぜお前が困る?」
「かっこいい龍司さんを観賞できなくなるじゃないですか。こんなに私の理想にぴったりな男性は他にいないと……あっ」
うっかり本心を漏らしてしまい、実乃里は顔を耳まで熱くする。
静かだった下っ端たちが堪えきれずにブッと吹き出し、一尾が咳払いをしてごまかそうとしていた。
恥ずかしさに実乃里が俯くと、小さなため息が額にかかる。
「黙ってくっついてろ」と後頭部を押さえつけられ、実乃里は再び龍司の胸に顔を埋めることになった。
(下心があるのがバレちゃったかな。告白したわけじゃないけど、私を避けて来店してくれなくなったりして。しくじった……)
誰もなにも言ってくれない。
後悔の中で実乃里が気まずい数分を過ごしていると、龍司が彼女にだけ聞こえるようにボソリと呟く。
「明日は行けそうにないが、明後日のモーニングは食いに行く」
「は、はい。お待ちしています」
落ち込みから一転、実乃里は心を弾ませる。
笑顔で龍司に抱きつきながら、頭の中では早くも胡椒とマスタードを抜いた、彼用の特別な卵サンドを作り始めるのであった。
「俺が行かないと、なぜお前が困る?」
「かっこいい龍司さんを観賞できなくなるじゃないですか。こんなに私の理想にぴったりな男性は他にいないと……あっ」
うっかり本心を漏らしてしまい、実乃里は顔を耳まで熱くする。
静かだった下っ端たちが堪えきれずにブッと吹き出し、一尾が咳払いをしてごまかそうとしていた。
恥ずかしさに実乃里が俯くと、小さなため息が額にかかる。
「黙ってくっついてろ」と後頭部を押さえつけられ、実乃里は再び龍司の胸に顔を埋めることになった。
(下心があるのがバレちゃったかな。告白したわけじゃないけど、私を避けて来店してくれなくなったりして。しくじった……)
誰もなにも言ってくれない。
後悔の中で実乃里が気まずい数分を過ごしていると、龍司が彼女にだけ聞こえるようにボソリと呟く。
「明日は行けそうにないが、明後日のモーニングは食いに行く」
「は、はい。お待ちしています」
落ち込みから一転、実乃里は心を弾ませる。
笑顔で龍司に抱きつきながら、頭の中では早くも胡椒とマスタードを抜いた、彼用の特別な卵サンドを作り始めるのであった。