極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
有名人でも友人でもない他人の恋愛話には、これっぽっちも興味を持てない実乃里であったが、屋上が花火見物の穴場だという情報には食いついた。
「あの、私みたいな関係者以外の者でも、屋上に上がれますか?」と、目を輝かせて問いかける。
「大丈夫だと思いますよ。いつでも鍵は開いているので。花火を観るんですか?」
「はい。あ、でも、誘っても断られるかもしれないですけど……」
実乃里は、龍司と一緒に花火を観たいと思い立った。
デートなどと大袈裟なことではなく、近所を散歩がてらに、なんなら一尾たちも一緒で構わない。
『花火見物の穴場を知っているんですけど、すぐそこなので一緒にどうですか?』
そのように軽い感じで、ロイヤルに来店した龍司に話してみようと考えていた。
「花火を観る龍司さんを、じっくり観賞したい。卵サンドを食べているだけでかっこいいのに、花火とセットになったら眩しすぎて悶絶しそう。ああ、浴衣を着てくれないかな……そこまでの贅沢は言えないけど……」
浴衣姿で静かに花火を見上げる龍司をうっとりと妄想した実乃里は、うっかり心の声を口に出してしまった。
すると、それまで楽しげに自身の恋愛話をしていたOLが、つまらなそうな顔をして財布を取り出し、「ピザのお代、ちょうどです」と支払いをする。
どうやら彼女も、赤の他人の恋愛には全く興味を持てないらしい。
「あの、私みたいな関係者以外の者でも、屋上に上がれますか?」と、目を輝かせて問いかける。
「大丈夫だと思いますよ。いつでも鍵は開いているので。花火を観るんですか?」
「はい。あ、でも、誘っても断られるかもしれないですけど……」
実乃里は、龍司と一緒に花火を観たいと思い立った。
デートなどと大袈裟なことではなく、近所を散歩がてらに、なんなら一尾たちも一緒で構わない。
『花火見物の穴場を知っているんですけど、すぐそこなので一緒にどうですか?』
そのように軽い感じで、ロイヤルに来店した龍司に話してみようと考えていた。
「花火を観る龍司さんを、じっくり観賞したい。卵サンドを食べているだけでかっこいいのに、花火とセットになったら眩しすぎて悶絶しそう。ああ、浴衣を着てくれないかな……そこまでの贅沢は言えないけど……」
浴衣姿で静かに花火を見上げる龍司をうっとりと妄想した実乃里は、うっかり心の声を口に出してしまった。
すると、それまで楽しげに自身の恋愛話をしていたOLが、つまらなそうな顔をして財布を取り出し、「ピザのお代、ちょうどです」と支払いをする。
どうやら彼女も、赤の他人の恋愛には全く興味を持てないらしい。