極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
実乃里がチラリと龍司を見れば、彼はバツが悪そうな顔をして前髪をクシャリと潰すように掻き上げている。
龍司はなにも答えてくれないが、杉谷が仕方ないと言いたげに教えてくれる。
「組対の刑事であり、俺の部下だ。五年前から猿亘組に潜入させてる」
「潜入捜査官……」
龍司の正体を知った実乃里は、衝撃を受けてもいるが、それよりも謎が解けた気分で納得していた。
彼らがロイヤルで険悪な雰囲気を演じて、なにかの受け渡しをしていたことについてである。
それを口にすれば、ふたりに驚かれた。
「龍司が入手した証拠品の麻薬か。まさか、お嬢ちゃんに見られていたとはな。龍司、気をつけろよ」
「杉谷さん、もう遅いです」
「次からロイヤルは使わない方がいいんじゃないか?」
「一尾たちに疑われては動きにくいので、あれは必要なんです」
どうやら猿亘組は、裏で麻薬密売を手掛けているようだ。
その証拠品を受け渡していたようだが、それだけが目的ではなく、龍司が刑事に噛みつく姿を一尾たちに見せたかったらしい。
龍司はなにも答えてくれないが、杉谷が仕方ないと言いたげに教えてくれる。
「組対の刑事であり、俺の部下だ。五年前から猿亘組に潜入させてる」
「潜入捜査官……」
龍司の正体を知った実乃里は、衝撃を受けてもいるが、それよりも謎が解けた気分で納得していた。
彼らがロイヤルで険悪な雰囲気を演じて、なにかの受け渡しをしていたことについてである。
それを口にすれば、ふたりに驚かれた。
「龍司が入手した証拠品の麻薬か。まさか、お嬢ちゃんに見られていたとはな。龍司、気をつけろよ」
「杉谷さん、もう遅いです」
「次からロイヤルは使わない方がいいんじゃないか?」
「一尾たちに疑われては動きにくいので、あれは必要なんです」
どうやら猿亘組は、裏で麻薬密売を手掛けているようだ。
その証拠品を受け渡していたようだが、それだけが目的ではなく、龍司が刑事に噛みつく姿を一尾たちに見せたかったらしい。