優しい言葉で秘密を溶かして

新入生を迎えるような春風が、頬を撫でるように吹いた4月
私、天川佑海はこの春から神楽坂学園の1年生になります！




春風に背中を押されるようにクラス表を見に行こうとした時うしろから



「メルっ！！」

「わっ！びっくりした···ひま！あぶないよ」

「ごめん、ごめん笑」


謝っているけど全然、悪いと思ってないこの子、陽茉莉は私の大好きな親友で同じく神楽坂学園に通う1年生


陽茉莉は黒髪ロングで美人系な子。対して、私は中途半端なミルクティー色ショートボブ、どこにでもいる平々凡々な普通の子。


黒髪いいなぁ、なんて考えてたら


「メル！クラス表見に行くよ！」

「へ？····あっ！うん！」


と行ったものの人がいすぎて見れない！
んーどうしようかなと悩んでたら

「ﾄﾞﾝｯ」


「いったぁ」
「いってぇ」


誰かにぶつかってしまって


「あ！ご、ごめんなさい！クラス表見えなくて悩んでたら周り見えてなくて····」

「いや、こっちこそ」