嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
「泉が他の人が特別なのかと思ったら、息が詰まりそうになるぐらい苦しかった。秘密があるのが不安だった。……どうして、こんな気持ちになるのか考えてみたの」
緋色は見上げるようにソファに座る泉を見つめる。その表情は切なげでもあり、やっと想いが伝えられるという喜びをもあるものだった。
「泉くんが好き…………」
小さな言葉を紡いだ時。
緋色は一粒の涙をこぼした。
それは、嬉しさからなのか、悲しさからなのかはわからない。けれど、伝えたい想いが溢れたのだというのは緋色にもわかった。
そんな緋色を見て、泉は頬を染め、目を細めてゆっくりと頷いた。
「俺もずっとずっと好きだったよ。」
その言葉は緋色の胸に響き、さらに涙がこぼれてくるのだった。