嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
「………昨日の夜、全部見たのに。恥ずかしいの?」
「は、恥ずかしいから、後ろ向いてて!」
「ははは。………わかったよ。」
気づいていたのにこちらを見続けていた泉に抗議の声をあげる。けれど、泉は楽しそうに笑うだけだった。
「昨日はありがとう。本当に幸せな1日だったよ。君の綺麗な姿も、可愛い姿も、そしてえっちな姿も見れて幸せだった」
「っっ!!」
「そんな風に思えるのって、俺が君を好きだから………好きだから全部が可愛いって思うんだなってわかったんだ。ありがとう、俺と結婚してくれて」
昨日は全く泣くことがなかった泉だったけれど、目の前の彼は目を潤ませて緋色を見つめていた。
そんな姿が堪らなく愛しく思えた。
「私も、泉くんが大好き。………選んでくれて、好きになってくれて、ありがとう」
緋色はそう言うと泉に抱きつき、自分からキスをした。
愛しいと思える人に好きと言ってもらえる日が、これからも続いていく。
その事が幸せで、彼と同じように涙を一粒おとしたのだった。