嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
「美味しいレストランを見つけたんだ。今夜、そこに行かないか?」
2人の休みの日が重なったある日の朝。
ゆっくりと起きて、ベットの中でくっついておしゃべりをしていると、突然泉がそう提案してくれたのだ。
「ピザがおいしいお店なんだ。この間、試合が終わった後にランチに連れていって貰ったんだ。緋色ちゃんにも食べて欲しいなって思って」
「うん、行ってみたいな」
「よし、じゃあ決まりだね。予約しておくよ」
泉はそういうと、ベットの中で緋色の頭を撫でながら嬉しそうにそう言った。
もう昼になる前だというのに、こんなダラダラとした時間を過ごしてもいいのだろうか思ってしまうけれど、「この時間が幸せなんだよね」と、彼に言われてしまうと、止めたいと思わなくなるから不思議だ。それに、彼にくっついていられるのは、緋色にとっても日頃のご褒美のように思えてきていた。