嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
「そろそろ起きないとね。さすがにお腹空いたかも」
「フレンチトースト作ろうかな。甘いの食べたいなぁ」
「いいね!じゃあ、起きよう。」
そう言って泉が起きる。彼は上半身が裸だった。彼の鍛えられた体を明るいところで見ると、緋色は今だにドキドキしてしまう。直視するのが恥ずかしくて、緋色が視線を反らすのを泉が見逃すはずもなかった。
「ねぇ、緋色ちゃん。一緒にシャワー浴びようか?」
「えっ…………」
緋色は彼のTシャツを着ており、下は下着姿だったため恥ずかしく自分のパジャマを探していたけれど、その言葉に思わず手を止めてしまった。
明るいところで裸になった姿を彼に見せたことがない緋色にとっては、衝撃的な提案で、どうしていいのかわからず戸惑ってしまう。
「えっと、その………まだ、恥ずかしいし………ハードル高いかな………」
「えー。体洗ってあげるから」
「………遠慮しておきます」
緋色は顔を真っ赤にして、彼に背を向けるとくくくっと笑いながら「残念だなー」と部屋を出ていった。
泉が諦めてくれた事に感謝し、彼が戻ってくる前にと、急いでパジャマに着替えたのだった。