嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
その日は2人で家の掃除をして過ごし、早めに家を出て買い物をしながらレストランに向かうことにした。
秋も近づいてきたので、温かいカーペットやクッションカバーなどを購入し車に乗せて、どんな部屋にするかを話し合った。
そんな休みの日らしい1日も終わりに近づき、今日のメインであるレストランに到着した。
「地下にある店なんだけど、海外にあるような洋風のレストランですごくおしゃれなんだよ」
「楽しみだなぁー」
「緋色ちゃんはワインとか飲む?」
「泉くんは車だし………また今度にするよ」
「気にしなくていいのに」
そんな他愛ない話をしながら、地下へと向かう階段を下りる。赤と白の煉瓦の壁が古びた雰囲気を出してた。木製のドアには「open」と書いてあるプレートがかかっており、泉はそのドアを開けてくれる。
緋色は先にその店に入ると、照明がやや暗いおしゃれな雰囲気の店内が目には言った。白のシャツに黒のズボン、エプロンをした紳士的な店員が緋色を迎えてくれる。が、緋色はそれよりもお店のテーブル一つ一つに置いてある、あるものに目がいってしまい、それを呆然と見つめた。