嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも




   ☆☆☆



 「今日はそいつにすんのか?まぁ、育ちの良さそうな女だし。金はありそうだからゆくゆくは客になるかもしれないけど………俺の好みじゃねーんだけど」
 「じゃあ、俺だけ相手するからいいさ。薬使えば1発で落ちるさ」



 車に乗っていた強面の男は、あまり乗り気ではないようだが、緋色の肩をガッチリと掴んでいる男は、緋色を逃がそうとしなかった。

 緋色は抵抗するけれど、女の力では敵うはずもなかった。声を出そうとしてるけれど、怖くて大きな声が出ない。震える声で止めてと言うのが精一杯だった。


 「おねえーさん。車へどうぞー」
 「おい、ふざけるのはいいから早くしろ。目立ちすぎると後々面倒だぞ。」
 「わかったよ………。おら、さっさと車に乗れっ!」
 「やっ…………!!」




< 160 / 216 >

この作品をシェア

pagetop