嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
それから、数ヵ月間は何事もなく平和に過ごしていた。
緋色が暮らしていた家にも彼女は来てくれるようになり、そして泊まってくれるようにもなっていた。彼女と同棲をしようとも考え、2階の空き部屋を緋色の部屋にしようかなと伝えると、とても喜んでくれた。ベットも置きたいかと問うと、「喧嘩をしても一緒のベットで寝れば、きっと早く仲直り出来るよね」と言ってくれた。それから、大きなベットを買い2人で眠るようになった。
暗い部屋は嫌いだと言っていたので、彼女が寝る時は間接照明を多めにつけていた。けれど、「泉くんと一緒なら大丈夫な気がする」と言い、最低限の明かりだけでも寝れるようになっていた。
そんな風に彼女も少しずつ克服しながら生活をしていた。
そして、泉は彼女と共に過ごす日々の穏やかさと、温かさ、そして幸せを知ってしまった。
もう決して離れたりなどしない。
そう思っていた。
けれど、運命というのは時に残酷な再会をさせてしまうのだった。