嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも
「すごかったね!イルカが跳んだ瞬間、花びらの光が舞ったり、宇宙空間になったり!」
「そうだね。イルカもなんだか楽しそうだったね。」
緋色の興奮した様子を馬鹿にすることもなく、泉は話しを聞いてくれる。笑顔を見て、泉も楽しいのかなと思うと、緋色は嬉しかった。
「素敵なショーを見せてくれてありがとう。なんだから、白碧蒼のファンタジーの世界に入ったみたいで嬉しかった。」
「緋色ちゃん…………。」
泉はふんわりとした笑みを浮かべて、優しく緋色に話しかけた。
「年下の俺が言うのも変だけど………緋色ちゃんは本当にいい子だね。」
「え…………。」
「そう言ってもらえて、俺も嬉しいよ。」
「うん…………。」
ただ自分の思ったことを伝えただけなのに彼は喜んでくれる。そんな瞬間が胸がとくんっと幸せな音で鳴る。
やはり、彼は不思議な人だった。