嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも



 「緋色ちゃん、今度は結婚指輪を見に行きたいね。婚約指輪は俺が緋色ちゃんに似合いそうなのを選んだけど、結婚指輪は2人で選びたいなって。」
 「結婚指輪…………。」


 緋色の左薬指につけてある、豪華な宝石がついた婚約指輪。結婚してからは、この指には彼とお揃いの指輪になるのだ。
 今の指輪も大切にしていきたいけれど、そのお揃いの指輪はいつも着けていたいな、と思った。

 「そうだよ。俺、毎日つけるから。もし太った時に外せなくなるぐらいにずっとね。」
 「そんなにずっと?」
 「うん。緋色ちゃんは仕事の時とか外したい?」
 「ううん。泉くんと一緒。つけていたいなって思ってる。」
 「そっか………。」


 緋色がそう答えると、ゆっくりと嬉しそうに泉はそう言った。話しをしているうちに、あっという間に緋色のマンションの前だった。
 
 「今日はありがとう。家まで送ってくれて。」
 「いいんだよ。これからも君の事はしっかりと守っていくから。」
 「ありがとう、じゃあ。」
 「……………結婚指輪って言ったらさ、結婚式だよね?」
 「…………え…………?」

 緋色が車のドアを開けようとした時に、泉がそんな事を言ったので、ドキッとしながら、彼の方を振り向いた。


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