嘘つき旦那様と初めての恋を何度でも



 「今日こそは唇にしてくれると思ったんだけどなー。」
 「頬でも恥ずかしいのに………無理だよ………。」


 真っ赤になる緋色を見つめて、泉は「確かに、まだ駄目にみたいだね。」と、笑った。そして、泉もやっと事でベットから起き上がり緋色の髪をそっと撫でた。


 「おはよう、緋色ちゃん。起こしてくれて、ありがとう。」


 と、泉は挨拶してくれる。

 泉が目覚めるときはキスをしたいと言い始めたのは引っ越しして来た日の事だった。
 目覚める時、いってきます、おかえり、おやすみ、などでキスをしたいとの事だった。まるで新婚のようだと思った緋色は、「あぁ、自分もそうなのだ。」と改めて感じてしまった。

 そして、一緒に眠るようになって彼がなかなか起きないことがわかったときに、泉から「緋色ちゃんにキスをされたらすぐに起きるよ。」と言われた。それが緋色からの目覚めのキスをするきっかけだった。

 それでも、唇にキスをするのはハードルが高いため頬や額で我慢してもらっていた。それでも、泉は嬉しそうにしてくれるので、ホッとしていた。




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