一生に一度の「好き」を、全部きみに。
「なんだよ、いきなり。つーか、誰?」
逃げることだけに無我夢中だった私は、ぶっきらぼうな声にハッとして恐る恐る振り返る。
そこには四人の男の人がいて、私はとっさに頭を下げた。
「す、すみません……っ! 少ししたら出て行きますので、しばらく隠れさせて下さいっ。お願いします……!」
足がガクガク震える。初対面なのに、こんなことをお願いするなんて失礼極まりないにもほどがある。
だけどこれは私にとって一大事なのだ。絶対にここで捕まるわけにはいかないの。
「迷惑だってことは、百も承知です。でも、どうか、お願いしますっ!」
深く深く頭を下げる。こうでもしなきゃ、わかってもらえない。
なんとも言えないシーンとした空気。顔は見えないけど、困り果てているのが、雰囲気から伝わってくる。
「わけわかんねー女だな。ストーカーか?」
「おいおい、おまえ口の利き方」
「とりあえずさ、顔上げてよ。そんなにビクビクしなくていいから」
そう言われてゆっくり顔を上げると、若干ひとりを除いてにこやかな顔がそこにあった。