一生に一度の「好き」を、全部きみに。
Heart*3
フェアじゃない
体育祭から週が明けた月曜日。
一昨日と昨日は体調が完全には元に戻らなかったので、部屋のベッドで安静を強いられた。
よく寝たおかげで今日はすこぶる元気だ。
平木は学校まで送っていくと言って譲らず、結局私が負けて校門前までしっかり見送られた。
昨日は花菜から体調を気遣うメッセージがきて、さらに夜には咲からもメッセージがきた。
『体調戻った?』
たったそれだけの文字だったけど、五分以上画面を見つめたまま動けなくて、ドキドキしすぎておかしくなりそうだった。
好きだと認めた途端、気持ちがどんどん膨らんで……会えない間もずっと咲のことを考えていた。
保健室でのことを思い出しては、妄想の中で何度も何度も恋をしていた。
理由はわからない。だけど、気づいたら落ちていたんだ。
咲の優しさや温かさは、私の心を穏やかに包んでくれる。一緒にいると居心地がよくて安心させられる。
きっと、初めて会ったときから──。
私は咲に惹かれてた。