一生に一度の「好き」を、全部きみに。
Heart*4
あふれる『好き』
『好きじゃ、ない』
そう言ったのは、私。
『だから、ごめんなさい……っ』
傷つけたのは、私。
それなのに、毎日のように咲のことを考えては、苦しくて仕方がない。
夏休みだから会わなくなれば忘れられると思った。
それなのに……。
『葵が好きだ』
咲の真剣な想いがストレートに胸に響いて、今も甘く胸をくすぐる。
行き場を失った咲への想いが胸にくすぶって、ぐるぐるぐるぐる。
好きなのに気持ちを伝えられないってツラい。
「はぁ」
左胸に手を当てる。
今日は少し脈が乱れてる。
そのせいか身体がだるい。
私はいつまで生きられるのかな……。
漠然とした疑問が脳裏をよぎって、考え出したら止まらなくなる。
コンコン
「葵お嬢様、お食事の用意ができました」
「いらない」
ドア越しに少し大きめの声を出す。ベッドに潜り込んで掛け物を頭からかぶった。
「どうかされましたか? まさか、体調が悪いとか?」
「ちがう……そんなんじゃない。私のことは放っておいて」
ギュッと目を閉じ、シャットアウトする。