一生に一度の「好き」を、全部きみに。

翌日、花菜に誘われてカフェにいた。

咲との間に起こったことを洗いざらい全部話したところで、うっとりと恍惚な表情を浮かべる花菜。

「よ、よかったね、葵……ホント、よかった……っ」

目を潤ませながら、まるで自分のこと以上に喜んでくれて私まで涙腺が崩壊しそうになる。

「ありがとう、花菜……」

「ううん。あたしは葵が幸せならそれでいいのっ」

「ううっ、花菜ぁ。大好き」

「でも鳳くんには負けるよね?」

「えぇ、そんなことないよ。どっちも選べないくらい好き……!」

自分で言ってて急に恥ずかしくなった。

面と向かって堂々と宣言するなんて。

「葵、この前よりスッキリした顔してる。そうやって胸を張って好きって言える相手がいるからだね」

「もうからかわないで」

恥ずかしい。

「なんでー? いいじゃん。あたしにも幸せわけろー! あははっ」

花菜もうれしそうだし、私もこうなったことを後悔してはいないけれど。

それでもやっぱり不安はある。

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