一生に一度の「好き」を、全部きみに。

「あ、そうだ私も! はい、どうぞ」

バッグの中に隠していたプレゼントの袋を咲に差し出す。

「俺に? マジで?」

「うん」

「やべ、俺こそもらえると思ってなかった……」

「え、なんで? 用意してるよ。初めてのクリスマスだもん」

「クリスマスは男が渡すもんだろ」

「そんなことないよ。交換するんだよ」

「開けていい?」

コクリと頷く。喜んでくれるかな。

咲へのプレゼントは悩みに悩んでネックレスにしてみた。丸い円状のシルバーの中に星を形取ったデザイン。

とても咲っぽいって思ったけど、完全に私の好みだから気に入ってもらえるかどうか……。

「やべ、カッコいい」

「本当?」

「うん。すっげー気に入った」

見たことがないほどの満面の笑みを浮かべて、大事に大事にネックレスを手に取る咲。

それを見て私までうれしくてたまらない。

気に入ってくれてよかった。

今こうしていられることがすごく幸せで、だけど同時に怖くもなる。

こんなに幸せでいいのかな。

今の幸せを失うときがきたら、どうなるんだろうって。

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