一生に一度の「好き」を、全部きみに。
先の見えない不安に押しつぶされそうで、すごく怖い。
夜眠る瞬間、毎日のように願うの。
明日、目覚めますように。無事に一日を終えられますように、咲に会えますようにって。
朝、目が覚めてホッとする。
よかった、今日も生きてる。
私の心臓、動いてくれてる。
これで咲に会える。
でもきっと、そんな日常は異常で普通じゃない。
自然と涙が頬に流れた。
「葵……?」
「ご、ごめん……っ」
「どっか痛いのか?」
「ちが、う……っく」
涙が次から次にあふれて止まらない。
咲はなにも言わずにただ指で涙を拭ってくれた。
その温もりにほだされて、弱さや不安が喉元まで出っかかる。
グッとこらえて必死に言葉をのみこんだ。