一生に一度の「好き」を、全部きみに。

「言ったってわかんないよ、私の気持ちなんて……誰にもわからない」

「わかんねーから、理解したいんだよ。言ってくれなきゃそれすらもわからないだろ」

「だから言いたくないんだってば。私の気持ちもわかってよ」

「わかってるよ。わかってるけど、気になるんだって」

「どうして、そこまで……」

心の弱い部分が刺激されて、ほだされそうになる。甘えてしまいそうになる。

「そんなの、好きだからに決まってるだろ。じゃなきゃこんなに一生懸命にならねーよ！」

「……っ」

こらえていた涙が一気にあふれた。

「死にたく、ない……っ。わた、し……もっと、生きたい、よ……」

本音はいつだってシンプルで、それ以外には見つからなかった。

腕でゴシゴシ涙を拭い、必死に歯を食いしばる。

「葵……」

咲はそんな私の肩を優しく引き寄せて、抱きしめてくれた。私も咲の背中に手を回してギュッと抱きつく。そうすると不思議と落ち着いた。

「死ぬのは、運命だから仕方ないって……そんな風に思ってた。でも……嫌だよっ」

怖いの、本当は、ものすごく。