一生に一度の「好き」を、全部きみに。
「咲ー、お前いつの間に神楽さんと仲良くなってんだよ。花菜ちゃんと仲良いよね、神楽さんって」
「そうだね、うん」
「あ! 今度四人で遊びにいこうよ!」
黒田くんはいいアイディアが浮かんだと言わんばかりに手を叩いてニッコリ笑う。
「四人?」
「俺と咲と花菜ちゃんと神楽さんの四人」
「ええっ!」
それはどうだろう。花菜は黒田くんをよく思ってないから、こないような気がするなぁ。
それに咲だって、絶対にこないでしょ。私は楽しそうだからいってみたい気もするけど。
「俺、花菜ちゃんに嫌われてるからさぁ。神楽さんからさり気なく誘ってみてくんない?」
「私?」
「うん、頼むよ」
黒田くんはスッと笑みを消して眉を下げた。うるうるした瞳を向けられたら、なんとなく断りにくい。
というか、黒田くんは花菜のこと……本気なのかな。
「わ、わかった。言うだけ言ってみるね」
「マジで? ありがとう!」
「俺はいかないからな」
「なんでだよー、どう考えてもいく流れだったろ。俺の応援してやろうって気はないのかよ!」