一生に一度の「好き」を、全部きみに。
そんな感じで始まった種目決め。
私はリレーや百メートル走といった走りがメインの種目には出られない。
どうしようかなぁ。
黒板に目を走らせながら、出れそうな競技を探す。
玉入れ、綱引き、競歩。それくらいかな。っていうか競歩って……。思わず噴き出しそうになる。
「じゃあそれぞれ挙手してくださーい! まず二人三脚に出たい人ー?」
えー!という瀬尾さんたちの不満気な声には耳をかさず、諸角さんは強引に進めた。
パラパラと何人かの手が上がり、順調に決まっていく。
私は無事玉入れと綱引きに出場することが決まった。
「次、クラス対抗リレーに参加したい人は挙手お願いします!」
シーン。
ここにきて誰も手を挙げようとしなかった。だるいと言ってた瀬尾さんたちも、まだどの種目にも挙手してなくて。当の彼女たちは知らんぷりを決め込んでいる。
「誰もいないなら、まだ決まってない人の中でくじ引きになります」
「はぁ? なんで? そんなの絶対嫌なんですけど!」
瀬尾さんが勢いよく立ち上がった。
敵意むき出しで諸角さんを睨んでいる。