溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜
「真知子さんの店です」
か細い声でなんとか告げる。
『真知子の店!? わかった。そこで待っててくれ。いいか、絶対に動くなよ』
なぜそんなところに?といった具合に驚いた後、念押しして通話が切れた。
「博人、焦っていたでしょ」
「……はい、すぐに来るそうです」
真知子を向いて目尻の涙を拭う。
「私、あそこで真知子さんに見つけてもらえてよかったです」
「それもまた、博人と強烈に引き合っている証拠ね」
真知子に言われ、美華もようやくそう思えるようになった気がした。