溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜

八畳ほどの部屋には博人の言うようにデスクと、座り心地のよさそうなカウチソファがあった。


「急だったからベッドは間に合わなかった」
「大丈夫です。私はソファでもなんでも」


ここのソファは二人がけだから厳しいかもしれないが、リビングにあったものはゆったりとしていたし寝心地もよさそうだ。

(もしかしたら私が使ってたベッドよりスプリングがいいかも)

「ソファで寝かせるわけにはいかないよ」
「でも博人さんがソファってわけにもいきませんから」


もともと彼のマンションなのだから。


「いや、俺もソファでは寝ないよ」


そう言って、「こっち」と博人がひらひら指先を曲げる。

誘われるまま隣の部屋へ入ると、モノトーンのシックな空間が現れた。

真っ先に目に飛び込んできたのは、キングサイズは優にあろうかと思える大きなベッド。そのほかに家具といえるものはなく、サイケデリックな絵画が一枚飾られていた。

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