冷徹御曹司のお気に召すまま~旦那様は本当はいつだって若奥様を甘やかしたい~
今まさに全力投球でモデルハウスのインテリアを考えたと言っていた女の子が、あっという間に表情を緩め、忍に問いかける。
「あ、私も聞きたいです」
「私も」
はいはいと手を挙げ、忍に問いかける三人に庄野は呆れた視線を向け、彩実は苦笑いを浮かべた。
「あのね、今は仕事中だからそんな話は……」
「んー、恋人か。難しいな。そろそろ恋人にしてもいいかなと思ってる女性は、いるよ」
女の子たちの言葉を遮る彩実に構わず、忍はさらりとそう言って、にっこりと笑った。
「え……」
忍の口から初めて聞かされる恋愛がらみの発言に、彩実は目を見開いた。
「あ、あの、忍君、それって」
「えーっ。嘘でしょう? そんなのいやなんですけどー」
問いかける彩実の言葉に、女の子たちの悲しい叫びがかぶさり、それ以上聞ける雰囲気ではなくなった。
忍は泣き出しそうな表情で詰め寄る三人の女の子たちに慌てながら、今すぐにでも逃げ出そうとでもいうように椅子から腰を浮かせている。
その姿がなんとも滑稽で、彩実は思わず吹き出し、お腹を抱えて笑った。
その日、彩実は終業時刻を迎えたと同時に会社を出ると、大通りでタクシーをとめて乗り込んだ。
久しぶりに顔を合わせた忍から食事に誘われたが、今日はどうしても行かなければならない場所があり、断った。
その場に偶然居合わせた庄野が彩実の代わりに忍と飲みにいくことになり、小関家具のファンである庄野は、喜びに沸き立った表情を浮かべていた。
彩実は、今日のように忍と庄野が縁をつなぐことができただけでも、今回小関家具の商品をモデルハウスに採用してよかったと思っている。
打ち合わせのときに忍が見せた、誇らしげで生き生きとした表情。
そして、小関家具への尊敬と憧れの念を込めて丁寧に作り上げたマグカップを忍に誉められたときの庄野の何とも言えない嬉しそうな顔。
「あ、私も聞きたいです」
「私も」
はいはいと手を挙げ、忍に問いかける三人に庄野は呆れた視線を向け、彩実は苦笑いを浮かべた。
「あのね、今は仕事中だからそんな話は……」
「んー、恋人か。難しいな。そろそろ恋人にしてもいいかなと思ってる女性は、いるよ」
女の子たちの言葉を遮る彩実に構わず、忍はさらりとそう言って、にっこりと笑った。
「え……」
忍の口から初めて聞かされる恋愛がらみの発言に、彩実は目を見開いた。
「あ、あの、忍君、それって」
「えーっ。嘘でしょう? そんなのいやなんですけどー」
問いかける彩実の言葉に、女の子たちの悲しい叫びがかぶさり、それ以上聞ける雰囲気ではなくなった。
忍は泣き出しそうな表情で詰め寄る三人の女の子たちに慌てながら、今すぐにでも逃げ出そうとでもいうように椅子から腰を浮かせている。
その姿がなんとも滑稽で、彩実は思わず吹き出し、お腹を抱えて笑った。
その日、彩実は終業時刻を迎えたと同時に会社を出ると、大通りでタクシーをとめて乗り込んだ。
久しぶりに顔を合わせた忍から食事に誘われたが、今日はどうしても行かなければならない場所があり、断った。
その場に偶然居合わせた庄野が彩実の代わりに忍と飲みにいくことになり、小関家具のファンである庄野は、喜びに沸き立った表情を浮かべていた。
彩実は、今日のように忍と庄野が縁をつなぐことができただけでも、今回小関家具の商品をモデルハウスに採用してよかったと思っている。
打ち合わせのときに忍が見せた、誇らしげで生き生きとした表情。
そして、小関家具への尊敬と憧れの念を込めて丁寧に作り上げたマグカップを忍に誉められたときの庄野の何とも言えない嬉しそうな顔。