同窓会〜あの日の恋をもう一度〜

再会

外はあの日を思い出す様な天気で、正直言って強制参加じゃなかったら外出なんてしたくない。
まだあの時の様に吹雪いていないだけマシだけど、明日が日曜日で良かったと内心ホッとする。

あの時の様に、到着時間と雪道の足場の悪さを考慮して予定より少し早くアパートを出て、のんびりと当時の通学路を歩いた。

職場である税理士事務所は中学校のある場所とは逆方向にあるので、この道を通るのは実に十年振りになる。

田舎町の住宅街は、あの頃とほぼ変わらない。
でもやはり、確実に月日が流れている。
空き地だった場所は、月極駐車場になっていたり、コンビニがあった場所は経営者が変わったのか違うコンビニに変わっていたり。
変わっていない様で変わっている。

郷愁に浸っていると、いつの間にか足が止まる。
この調子で歩いていると、確実に遅刻してしまいそうだ。
私は足元に気を付けながら歩くスピードを少しだけ速めた。

外気が当たる顔や耳は、寒さを通り越して痛みを感じる。
きっと頬は林檎の様に真っ赤になっているに違いない。
私は立ち止まるとポケットの中に入れていたカイロを取り出し、それをそっと耳に当てて束の間の暖を取った。

目的地の港北中まで、もうすぐだ。

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