同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
「西田、待たせてごめん」
背後から聞こえる声に、私は固まった。
この声は……。
耳に届いた声は低くて柔らかく、でも心地良い響きの優しい声。
間違いなく坂本だ。
私は振り返るのが怖くて、その場から動けないでいた。
雪の中を一歩ずつ、ゆっくりと踏み締める音が近付いて来る。
そして、俯いている私の視界に男性の靴が写り込む。
顔をあげると、そこには身長が伸びて体格もあの頃よりもガッシリとした、精悍さと大人の色気を纏った坂本が立っていた。
私は中学校を卒業してから身長の伸びが止まってしまい、百六十センチもないけれど、恐らく頭一つ分の身長差はありそうだ。
髪型はテレビでよく見かける俳優さんみたいに決まっていて、ヘアカラー等していないだろうナチュラルな黒髪で、一目であの頃の様に坂本は女性受けが良さそうだと言う事がわかる。
服装にしても、体格がいいからか何を着てもサマになりそうだ。
今は黒のブルゾンにダークグリーンのマフラーを巻いて、スラリと伸びるその足は、スリムなインディゴブルーのデニムに合わせてショートブーツを履いている。
「歩いて来たのか? 寒かっただろう? 正門は施錠してあるから、体育館裏の通用口から入ろう」
この場から動けないでいる私に、坂本は左手を差し出した。
背後から聞こえる声に、私は固まった。
この声は……。
耳に届いた声は低くて柔らかく、でも心地良い響きの優しい声。
間違いなく坂本だ。
私は振り返るのが怖くて、その場から動けないでいた。
雪の中を一歩ずつ、ゆっくりと踏み締める音が近付いて来る。
そして、俯いている私の視界に男性の靴が写り込む。
顔をあげると、そこには身長が伸びて体格もあの頃よりもガッシリとした、精悍さと大人の色気を纏った坂本が立っていた。
私は中学校を卒業してから身長の伸びが止まってしまい、百六十センチもないけれど、恐らく頭一つ分の身長差はありそうだ。
髪型はテレビでよく見かける俳優さんみたいに決まっていて、ヘアカラー等していないだろうナチュラルな黒髪で、一目であの頃の様に坂本は女性受けが良さそうだと言う事がわかる。
服装にしても、体格がいいからか何を着てもサマになりそうだ。
今は黒のブルゾンにダークグリーンのマフラーを巻いて、スラリと伸びるその足は、スリムなインディゴブルーのデニムに合わせてショートブーツを履いている。
「歩いて来たのか? 寒かっただろう? 正門は施錠してあるから、体育館裏の通用口から入ろう」
この場から動けないでいる私に、坂本は左手を差し出した。