同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
「もう、みんな集合してるの?」
私の質問に坂本は何も応えない。
黙々と歩いて行く。
一体何処へ向かっているのだろう。
それに、みんなが集まっているのなら、こうやって手を引かれている所を見られるのは非常に恥ずかしい。
「ねえ、何処へ行くの?」
「んー、ちょっとね。
……それはそうと、西田は確か卒業式の日、結局教室に上がって来ないでそのまま早退したんだよな」
急に話題が十年前の事になり、私は身構える。
「……うん、確かあの日、卒業式の途中で気持ち悪くなって保健室で休んでたら熱が出て。
お母さんも式に来てたし、あのまま病院に行った」
慎重に言葉を選びながら、坂本の問いに応える。
先程の私の問いに、まだ坂本は応えてくれていない。
そっか、と坂本は呟くと、私の手をぎゅっと握りしめ、歩みを進めて行く。
確かこの先には……。
『体育館裏の手前から三本目の支柱』
ふとあの日保健室のベッドの中で握りしめていたメモを思い出した。
私の考えが間違っていなければ、きっと坂本はそこに向かっている。
あのメモの字は、私の記憶が間違っていなければ坂本の字だったと思う。
一体何のつもりで私にあんな意味のわからないメモを握らせていたのだろう。
私の質問に坂本は何も応えない。
黙々と歩いて行く。
一体何処へ向かっているのだろう。
それに、みんなが集まっているのなら、こうやって手を引かれている所を見られるのは非常に恥ずかしい。
「ねえ、何処へ行くの?」
「んー、ちょっとね。
……それはそうと、西田は確か卒業式の日、結局教室に上がって来ないでそのまま早退したんだよな」
急に話題が十年前の事になり、私は身構える。
「……うん、確かあの日、卒業式の途中で気持ち悪くなって保健室で休んでたら熱が出て。
お母さんも式に来てたし、あのまま病院に行った」
慎重に言葉を選びながら、坂本の問いに応える。
先程の私の問いに、まだ坂本は応えてくれていない。
そっか、と坂本は呟くと、私の手をぎゅっと握りしめ、歩みを進めて行く。
確かこの先には……。
『体育館裏の手前から三本目の支柱』
ふとあの日保健室のベッドの中で握りしめていたメモを思い出した。
私の考えが間違っていなければ、きっと坂本はそこに向かっている。
あのメモの字は、私の記憶が間違っていなければ坂本の字だったと思う。
一体何のつもりで私にあんな意味のわからないメモを握らせていたのだろう。