同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
坂本の言葉に何だか誤魔化されている気もするけれど、確かに外はさっきよりも吹雪いて来ており、帰るにしても足元が悪いし視界も良くなさそうだ。
それに風が強いから、傘もさすのは大変そうだ。

へんな打算が働いて、ここである程度時間を過ごせば雪も少しは小降りになるだろうと思った。

それもあるけれど、坂本の言う『宝探し』の言葉に惹かれたのが、この場に残ろうと思った大半の理由だ。

「メモを全て集めてみて。
大人になったらなかなかこんなゲーム出来ないだろう?
それに、誰もいない中学校に居るのも、冒険って感じするだろう?」

二人きりと言うのは何だか気恥ずかしいけれど、確かに坂本の言うように、大人になってこんな経験をする事なんてまずないだろう。

素直に納得した私は、通用口から本館へと向かった。
坂本は、そんな私の後について歩いて来る。

「何でついて来るの?」

階段を上りながら坂本に問いかけた。
背後にいる坂本は、ポケットから何かを取り出している。

「だって教室の鍵、俺が持ってるから」

言われて納得した。
本館への入口や特別教棟は、さっきの通用口みたいに鍵がかかっていたのを思い出したのだ。
この学校の教員である坂本がいないと中に入れない。

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