罠
···異動
日本での式は、空港の近くで
行うことにした。
アメリカでは教会
日本では神前で行う。
『メイソン、ごめんなさい。
何度も、大変な思いさせて。』
と、言うと
『俺は、構わないよ。
サオリのドレスや着物姿をみれて
幸せだから。』
と、言ってくれるメイソンに
嬉しくなって、頬にありがとうの
意味をこめてキスすると
『頬より、こっちがいい』
と、唇にふか~く、キスをされ
そのまま、流されてしまいました。
もう、明日は式なのに
身体中が悲鳴をあげている!!
白無垢を着て
父と母に
育ててもらったお礼を伝えた。
父と母、絢ちゃんに見守られながら
神前結婚式は、厳かに終わり
ウェディングドレスに着替えて
五人で写真撮影をした。
袴を初めてきたメイソンは、
いたく感激をしながら
私の白無垢姿には、
言葉がでない感じだった。
『日本って、素晴らしいね』
と、言って父や母、絢をはじめ
式場のスタッフの人達を喜ばせた。
ウェディングドレスは、母と絢ちゃんの
見立てで、真っ白で裾がかなり長い物で、
私の漆黒の髪を生かして
欲しいと伝えていたみたいで
その優雅さと気品に
またまた、メイソンは、
大喜びだった。
父は、涙をためながら
ニコニコとしていた。
絢ちゃんの後押しがなかったら
メイソンとの交際も
踏み切れていなかったかも
しれない。
二人で沢山のお礼を伝えた。
その日は、五人でホテルに泊まり
夕食をとり休んだ。
次の日は、ゆっくりしてから
私達は、アメリカに発った。
絢ちゃんは、久しぶりだからと
後数日を日本で楽しむみたいだ。
私達は、新居への引っ越しが
あるからバタバタしていた。
メイソンのパパが
家を建ててくれた。
代々、メイソン家は広大な土地を
持っているみたいで
そのうちの一つをくれた。
なぜだか、アメリカのお家は
でかい。
まぁ、メイソンも大きいから
仕方ないか・・・
庭も広いし・・・
ども、素敵な所だ。
私達は、無事に引っ越しを終わらせて
明日から、出社する。
『私とメイソンを同じ部署に
置く必要はない』
と、ボスには言ったが
『居ないと困る』
と、言われて
様子をみることにしたが・・・
フォーエバー(会社)の内部に
編集部と言う部署がある。
編集部は、
デザインした服を作り
それを自社のモデルが着て
自社の雑誌に掲載する。
その編集部の部長が
社員のトレードを
ボスに言ってきたらしい。
それは、編集部の女の子で
川口 亜美 25才
可愛い顔をしている子で
大学時代英語を専攻していたので
英語力は問題ない日本人。
だが、今編集部は、ミスではなく
ミセス雑誌に取り組んでいて
『是非、サオリが欲しい』
と、言ってきたらしい。
ボスとしては、
自分がミセスにも力をいれるように
いったからには・・・と思い
苦渋の決断・・・・・
カワグチも日本語はできる。
まぁ、俺もメイソンも
粗方は日本語もわかる。
だが、サオリは通訳だけでなく
秘書の経験もあり
顧客を引き込む力がある
はぁっ、仕方ないか・・
メイソンには、なんという?
先が思いやられる。
アンソニーは、サオリを呼んで
編集部の意向を伝えると
『その仕事が、私にできるのか
わかりませんが、ボスの決定に
従います。』
と、言った。
アンソニーは、日本人の
上司に対する従順には
脱帽する。
サオリは、従うとこは
従うが、違うと思う事は
意見はキチンとする。
だから、アンソニーは
サオリに絶大な信頼を得ていたが・・
『宜しく頼む。来週からだ。
メイソンには、言ってないが』
『メイソンは、仕事なら
何も言いませんよ。』
と、にっこりしながら伝えた。